介護福祉士の資格取得者は年々増加してきている傾向にあります。しかし、高齢化の勢いはますます加速しており、介護資源の地域格差が起こり始めています。
そんな中で、高齢者移住の話が出てきたり、ロボット導入による介護負担の軽減、人工知能による家電や家事労働の軽減の類が目覚しい発展をしているのです。しかし、人は人により癒され、健康を維持したり、幸福感を高めることができるもの。そうした現状の中で何を合理化するべきなのか、また反対にしすぎてはならないものは何なのかを考える必要があるといえます。
人の暮らしが大きく変わろうとしている境目だからこそ、今一度、介護職とそれを受ける人々が議論する必要性があるのではないでしょうか。日本の専門職のキャリア形成は、基礎養成教育を経て、現任教育を継続しリーダー育成に努力しています。新任研修に中間管理職研修、管理者研修というように段階的に実施さえているものが多くあります。
そうした背景も踏まえ、キャリア形成は一日にしてならずというような雰囲気があります。しかし、現代では多種多様な職業が増えており、小さな職場環境では現任教育の一環である臨地教育を受けられる人員配置にはなっていないことが多いのです。
特に介護現場は人手が少ない環境であるため、新人採用オリエンテーションは行われても、その後の継続研修や外部研修を受講するのは困難な状況があるようです。その日の業務をこなすだけで手一杯で、ほかの仲間と話したり、組織で議論する余裕がないのが現状です。
特に、介護リーダー育成に向けてのキャリア形成は、短期間で完成するものではないため、今後構築するための再準備が必要だといえます。急速に変化する環境の中で介護職ひとりひとりが生かされ、利用者をはじめ社会に信頼され貢献できるように、構築していかなければなりません。